相続手続きの手順や流れ・期限について

ご家族が亡くなると、法律上相続が開始しますが、相続手続きにはできるだけ早く行わなければならないものや、比較的時間的な余裕があるものまで様々な手続きが存在します。

そこで、以下では、相続手続きの手順や流れ、・期限について解説いたします。

相続開始から７日以内に行う必要のある手続き

まず、相続が発生したら初めにやるべきことは、死亡診断書の取得と役所への死亡届の提出です。

死亡診断書は病院で医師から発行してもらいますが、事故死や突然死の場合には死亡検案書が求められることがあります。

また、役所への死亡届の提出は、亡くなられた方を火葬・埋葬の許可証を取得するうえで必要とされています。

また、これと同時に相続開始直後から着手したほうが良いこととしては、遺言書の有無や遺産、相続人の有無などの調査・確認などです。

遺言書が自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合には、裁判所に検認手続きを申し立てる必要があります。

相続開始から１４日以内に行う必要のある手続き

相続開始から１４日以内に行う必要がある手続きは、①年金受給権者死亡届の提出（厚生年金は１０日以内、国民年金は１４日以内）、②国民健康保険・後期高齢者医療保険の資格喪失届の提出、③介護保険資格喪失届の提出、④世帯主の変更届の提出があります。

②③については、被相続人が各種保険の加入者・被保険者であった場合に必要です。

④については、被相続人が世帯主であった場合で、被相続人の死亡により世帯主の変更がある場合に必要です。

相続開始から３か月以内に行う必要のある手続き

相続開始から３か月以内に行う必要のある手続きには、相続放棄又は限定承認の申述があります。

被相続人の財産を一切相続しない場合には相続放棄を選択し、相続によって得た財産の限度で債務を相続する場合には限定承認を選択します。

もっとも、限定承認は、共同相続人がいる場合にはその全員の同意が必要となります。

また、期限があるわけではないものの、早めに着手すべき手続きとしては、遺産分割協議や遺産分割協議書の作成があります。

相続開始から４か月以内に行う必要のある手続き

相続開始から４か月以内に行う必要のある手続きには、被相続人の準確定申告があります。

これは電子申請も行うことができます。

相続開始から１０か月以内に行う必要のある手続き

相続開始から１０か月以内に行う必要のある手続きには、相続税の申告があります。

これは相続財産の合計評価額が基礎控除額を上回る場合に必要です。

相続開始から１年以内に行う必要のある手続き

相続開始から１年以内に行う必要のある手続きには、遺留分侵害額請求があります。

遺留分侵害額請求は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があった時から１年以内におこなう必要があります。

その他の注意点

令和６年４月１日以降は、相続登記が義務化されることにも注意が必要です。

また、被相続人の死亡日の翌日から５年以内は、遺族年金の請求を行うことができます。

相続手続きに関するご相談は法務テーラー司法書士事務所までご相談ください

ここでは主に必要な手続きを紹介しましたが、ほかにも期限のある手続きがあるため注意しましょう。

相続が開始すると、複数の手続きを行う必要があり、時間的余裕があるとはいえないため、できるだけ早い行動が求められます。

相続手続きに関してお悩みの方は、お気軽に法務テーラー司法書士事務所までご相談ください。