相続人調査の重要性とは|自分で進めることはできる?
相続の発生後、最初に取り組むべき重要な手続きが相続人調査です。
相続手続きを適切に進めるためには、法定相続人を正確に特定する必要があります。
本記事では、相続人調査の基礎知識と、専門家に依頼すべきケースについて詳しく解説します。
相続人調査について
相続が開始したとき、法定相続人を特定するために戸籍謄本を収集する手続きが相続人調査です。
相続人調査が必要な理由
相続人調査は、被相続人の資産を引き継ぐための基本となる大切な手続きです。
これは相続手続きにおいて、相続人を確定するための重要なプロセスとなっています。
遺産分割協議には、すべての相続人による合意が必要です。
1名でも欠席した相続人がいる場合、その協議内容は無効になります。
金融機関や法務局、税務署への申請時には、亡くなった方の出生から死亡時までの戸籍と、相続人全員の最新の戸籍謄本が求められます。
戸籍謄本は相続手続きにおける重要な証明書類でもあるのです。
相続人調査は自分で実施できるのか
結論から言えば、相続人調査を自分で実施することは可能です。
相続関係が単純で、被相続人の戸籍の移動が少ないケースでは、調査をスムーズに完了させることができます。
また、令和6年3月1日から、相続人が住んでいる市区町村役場で、全国どこの戸籍謄本でも入手できる「広域交付」制度がスタートしました。
便利な制度である一方で、システムが安定しておらず、交付までに数日から数週間かかる可能性があります。
本制度を利用する場合、第三者や郵送による申請はできないため、相続人から申請を行うようにしましょう。
このように、相続調査には予想以上の労力と時間が必要になる場合があります。
状況に応じて、司法書士などの専門家に依頼することも検討してみましょう。
専門家への相談が推奨されるケースとは?
以下の状況に該当する場合、相続人調査は複雑化する傾向にあります。
このようなケースでは、専門家へ依頼することで、正確かつ円滑な調査ができます。
相続人がわからないケース
相続人の特定が難しい状況では、確実な調査が必要となるため専門家への依頼がおすすめです。
具体的には、被相続人と長期間連絡が途絶えていた場合や、相続関係が複雑なため相続人の範囲を把握できない場合が該当します。
相続人と連絡が取れないケース
相続人の住所が不明な場合には、専門家へ依頼しましょう。
相続人の住所特定には、被相続人の戸籍から現在の本籍地をたどる必要があり、自分で行うのは困難な作業です。
頻繁に転籍しているケース
被相続人が複数の市区町村で転籍を重ねていた場合、各自治体からの戸籍収集が必要となり、作業が複雑になるでしょう。
直系の相続人の場合は、広域交付の対象となるので、居住地の市区町村役場から戸籍収集が可能です。
ただし、それ以外の相続人や、戸籍の附票を取得したい場合は広域交付の対象外となるため、司法書士などの専門家へ依頼することがおすすめです。
遠方での戸籍取得が必要なケース
被相続人の過去の本籍地が遠方にある場合、関連書類の取得手続きが煩雑になります。
郵送での請求は可能ですが、慣れていない場合は、手続きに手間がかかります。
このケースでも、直系の相続人は広域交付の対象です。
居住地の市区町村役場で戸籍を取り寄せることができます。
直系以外の相続人や、戸籍の附票を収集する場合は、広域交付の対象外ですので、専門家への依頼がおすすめです。
兄弟姉妹・甥や姪が相続人となるケース
被相続人の兄弟姉妹や甥・姪が相続人となる場合、収集すべき戸籍謄本の数が多くなり、調査の手間が増大するでしょう。
家系図が複雑になることも考えられるため、専門家のサポートを得ることで正確な調査が可能になります。
兄弟姉妹や甥・姪が相続人となる場合は、広域交付の制度を利用することができません。
このケースでは、司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
まとめ
相続人調査は、相続手続きの基礎となる重要なプロセスです。
法定相続人を正確に特定し、遺産分割を適切に進めるためには、戸籍謄本の収集と確認が不可欠です。
単純な相続関係であれば自身での調査も可能ですが、複雑なケースでは多大な労力が必要になります。
不安な点がある場合は、相続手続きの専門家である司法書士への相談をおすすめします。
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事務所名 | 法務テーラー司法書士事務所 |
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